台所の水漏れで最も頻繁に発生し、そして多くの人が最初に遭遇するのが、蛇口の根元や吐水口からの水漏れです。最初はポタ、ポタと滴る程度でも、放置しておくと水の勢いは増し、水道代の無駄遣いになるだけでなく、シンク周りを常に濡れた状態にし、カビや水垢の温床となってしまいます。このタイプの水漏れの多くは、蛇口の内部に使われている「パッキン」や「バルブカートリッジ」といった消耗部品の劣化が原因です。パッキンは、部品と部品の隙間を埋めて水漏れを防ぐためのゴム製のリングです。毎日のお湯や水の使用、蛇口の開閉による摩擦で、このゴムは徐々に弾力性を失い、硬化したり、ひび割れたりしていきます。そうなると、部品の間にわずかな隙間が生まれ、そこから水がじわじわと漏れ出してしまうのです。特に、蛇口の根元(スパウトの付け根)からの水漏れは、内部にあるUパッキンやOリングの劣化が考えられます。ハンドルを操作するたびに、この部分にはねじれの力がかかるため、比較的劣化しやすい箇所と言えます。また、吐水口の先からポタポタと水が止まらない場合は、ハンドルの内部にあるバルブカートリッジという部品の不具合が原因であることが多いです。このカートリッジは、水の量や温度を調整する心臓部であり、長年の使用で内部のセラミックディスクが摩耗したり、パッキンが劣化したりして水漏れを引き起こします。幸いなことに、これらの部品の交換は、DIYに慣れている人であれば比較的簡単に行うことができます。ホームセンターで適合するサイズのパッキンやカートリッジを購入し、止水栓を閉めてから作業を行えば、数十分で修理は完了します。しかし、どの部品を交換すれば良いかわからない、あるいは作業に自信がない場合は、無理せず専門の水道業者に依頼するのが賢明です。小さな部品の劣化が、日々の小さなストレスと無駄な出費を生み出している。そのことに気づいたら、早めの対処が肝心です。
蛇口の根元からじわり!パッキン劣化が招く水漏れ