新築時に標準で設置されていることが多い地面埋め込み式の「散水栓」。見た目がすっきりするというメリットはあるものの、実際に暮らしてみると、「毎回屈むのが面倒」「手が汚れていても気軽に洗えない」「ホースの着脱が煩わしい」といった不満を感じる方が少なくありません。このような使い勝手の悪さを解消するために、近年非常に人気が高まっているのが、「散水栓」から「立水栓」への交換リフォームです。このリフォーム最大のメリットは、何といっても「利便性の劇的な向上」です。立ったままの楽な姿勢で蛇口を操作できるようになるため、ガーデニングの水やりや洗車、掃除といった作業の負担が大幅に軽減されます。下にガーデンパン(水受け)を設置すれば、泥の付いた靴や道具をその場で洗えるようになり、玄関や室内を汚すこともなくなります。また、デザイン性の高い立水栓を選ぶことで、単に便利になるだけでなく、庭の景観を向上させ、エクステリアのオシャレなアクセントとして機能させることも可能です。補助蛇口付きのモデルを選べば、ホースを繋ぎっぱなしにできるなど、活用の幅はさらに広がります。この交換リフォームを検討する際の注意点としては、まず「費用の把握」が挙げられます。既存の散水栓を撤去し、地中の給水管を立ち上げて立水栓を設置する工事には、選ぶ製品にもよりますが、一般的に7万円から15万円程度の費用がかかります。また、立水栓を設置するためのスペースが確保できるか、そしてその位置が庭の動線を妨げないかを事前にシミュレーションしておくことも重要です。コンクリートの土間などに設置する場合は、コンクリートを部分的に壊して復旧する「はつり工事」が必要となり、費用が追加でかかる場合があります。これらの点を踏まえ、専門業者とよく相談しながら計画を進めることが、満足度の高いリフォームを実現するための鍵となります。
「散水栓」から「立水栓」へ、交換リフォームのメリットと注意点